急性腹症とは急激に発症し、激しい腹痛を伴う数多くの疾患の総称です。
原因としては、消化器の疾患のみでなく、泌尿器科の疾患、また、女性では婦人科疾患も腹痛の原因となります。
急な腹痛の場合、完治するまで原因が判明しない場合もあります。また、腹痛を訴える患者様の2割弱は泌尿器科系の疾患の場合があります。当院では、どの疾患においても、血液検査やレントゲン・超音波検査を実施し、原因の探索や重症度の判定を迅速に行うことが可能です。
退院時診断 | 患者数(%) |
腹痛 | 259(30%) |
泌尿生殖器疾患 | 136(16%) |
胃腸疾患 | 95(11%) |
その他 | 39(5%) |
膵臓疾患 | 37(4%) |
肝胆道系疾患 | 36(4%) |
消化性潰瘍疾患 | 32(4%) |
腸閉塞 | 25(3%) |
腹腔内腫瘍 | 17(2%) |
虫垂炎 | 14(2%) |
憩室炎 | 12(1%) |
婦人科疾患 | 12(1%) |
異物 | 9(1%) |
イレウス | 1(0%) |
腹部とは関連なし | 147(17%) |
(Ahn SH, Mayo-Smith WW, Murphy BL, et al. Acute nontraumatic abdominal pain in adult patients: abdominal radiography compared with CT evaluation. Radiology 2002 ; 225 : 159─ 64 より引用)
腹痛(急性腹症)においては、血液検査等の結果、緊急性が高いと判断した場合は、当院から入院が可能な病院に紹介することもあります。治療は原因によって多岐にわたります。
血液検査をはじめ、全ての検査を院内で行っているため、原因の判明が早く済みます。当院では専門分野の違う医師が複数在籍しているため、医師間でも連携を取り、いち早く適切な医療をお届けします。
・血液検査(生化学検査)
いわゆる一般的な血液検査の項目を、ほぼ全て検査することが出来ます。当院での即日検査可能な項目は、【総蛋白・アルブミン・尿素窒素・クレアチニン・尿酸・総ビリルビン・AST(GOT)・ALT(GPT)・LDH・アルカリフォスファターゼ・γ-GT・総コレステロール・中性脂肪・HDL-コレステロール・LDL-コレステロール・アミラーゼ・CKMB・CRP・グルコース(血糖値)・A/G比・フェリチン・RPR・TPHA】です。これによって判明することは、血中の栄養状態、腎臓の状態、尿酸値、肝臓・胆嚢の健康状態、血中のコレステロール量、炎症の有無、血糖値です。
・血液検査(血算)
血液検査の中でも、赤血球や白血球の数を検査することが出来ます。
体に炎症が起きていないかどうか、貧血気味でないか、血球の数におかしなところはないか(白血病等の有無)などを測定することが出来ます。
・尿検査(定性)
基本的な尿検査の項目を ほぼ全て検査することが出来ます。US-1200で検査できる項目は、【比重・pH・蛋白定性・糖定性・ケトン体定性・潜血反応・ウロビリノーゲン定性・ビリルビン定性・亜硝酸塩・白血球検査・アルブミン 定性・クレアチニン】です。
また、上記のAccuteRXにて、より詳細な尿検査をすることも可能です。
・便潜血
便の中に血液が混じっていないかどうかを見ることで、大腸癌などの疾患が腸にあるかどうかを探すことが出来ます。
大腸癌は、全ての臓器の癌の中でも2位の罹患率であり、比較的多くの患者様がいらっしゃいます。健康診断で便潜血を測定することによって、大腸癌などの病気の早期発見の確率を上げることが出来ます。
・レントゲン検査
レントゲン検査は、肺の状態の確認や腸の状態の確認、骨折の有無の検査など、幅広い検査が行える検査です。
当院のレントゲン装置は、2008年製の高年式商品です。60kHz高周波インバータ方式高電圧発生装置の採用により、少ない被ばくで効率の良い検査が行なえます。